カナダを代表するバンドVOIVOD(ヴォイヴォド)。
1982年に結成され、
音楽性を変遷や主要メンバー、ピギーの死がありながらも、
活躍を続けているバンドです。
バンド特徴と言えば、
プログレッシブなスラッシュ・サウンドはもちろん、
機械を中心とした無機質な見た目も非常に印象的です。
バンドのロゴも機械を落とし込んだ、
メカニカルなものとなっています。
そんなVOIVODですが、
Quest For NothingのMVはAI(人工知能)技術を取り入れて制作されました。
モノトーンの色合いに、
人や虫、エイリアン、クトゥルフらしきタコのような生物が、
次々に姿を変えていき、
有機物と無機物が交錯する非常に不気味なもので、
楽曲のディストピア感が非常にうまく表現されているMVです。
このMVはAbove The Voidによって作製され、
Cursed MantisのGALAXY OF CHEESE、
Ordo ObscurantisのAshram synthétiqueも
このAI技術が取り入れられMVが作製されています。
実はヘヴィメタルにAI技術が取り入れられたのは以前から存在しており、
2019/09/04よりずっとデスメタルを奏でているチャンネルがあります。
このDADABOTSでは24時間365日休むこと無く
延々とデスメタルが生成されています。
基本的には何を言っているのか分らないデス声に、
メカニカルなリフ、手数の多いドラミングが生成されているので、
デスメタルっぽさはうまく再現されています。
しかしながらそれだけではなく、
時々スローテンポでもの悲しいパートもあるなど、
ある程度の緩急も付いていることで、
一聴しただけでは本当にデスメタルっぽく聞こえます。
流石にずっと聞いているとAIだなと感じてしまいますが。
もちろん有名バンドの名曲を学習させ・・・
という試みも始まっています。
アーティストFunk Turkey氏はMETALLICA(メタリカ)の歌詞をAIによって生成、
それを元に自身で曲を書き、
METALLICA風の楽曲を作製しました。
他にもAIにバンド名を10万学習させ、
そこからバンド名を自動生成している方も過去におられました。
近年ではAI技術が急速に発達、
イラストについては大きな問題となっています。
ぱっと見では人が描いたイラストなのか、
それともAIが作ったイラストなのか分らないことで、
様々な騒動が起こってきています。
AIによる作曲についてですが、
以前はAIが作ってもヒット曲を生み出すのは難しいと言われていましたが、
技術の発展によって今後はAIによるヒット曲が生まれてくる、
いやすでに実はAIが作った曲がヒットチャートにランクインしているのかもしれません。
ただ今回のVOIVODのMVはバンドのらしさが非常にうまく表現されていますので、
AIの良い面がでた結果ですね。
現在はマイナス面が目立つケースが多いですが、
諸問題をクリアしてAIと芸術が上手く共存していって欲しいですね。
バンドもメンバーの離脱や死去などで、
未来永劫存在するわけではないので、
新曲が聴けなくなるケースは必ずやってきます。
しかしAIであれば今までの楽曲から学んだ新曲を作曲することは今後可能になってくると思うので、
本家を超えるのは不可能と思いますが、
一度は聴いてみたいですね。