
HELLOWEENの4年ぶりとなる17thアルバム、
GIANTS & MONSTERS「ジャイアンツ&モンスターズ」が、
2025年8月27日にリリースされました!(海外は29日)
前作HELLOWEENではマイケル・キスク、カイ・ハンセンが復活し、
7人体制での作品となりました。
本国ドイツでも初の1位を獲得した作品。
そのクオリティも素晴らしいもので、
来日公演も大成功させました。
素晴らしい作品だっただけにその次はどうなるか。
期待と不安が入り混じる状況でしたが・・・。
今回も傑作と言える1枚でした!
そこで今回はHELLOWEEN新作GIANTS & MONSTERSのレビューをしていきます!
1曲目はアルバムタイトルと同じく、
Giantsがタイトルに入ったGiants On The Run「ジャイアンツ・オン・ザ・ラン」。
イントロは若干ヘヴィ、その後はアンディのささやくような歌声へとシフトしたので、
ミディアム系の曲かと思ったらサビへ行くタイミングで徐々に疾走を始め、
サビではいつものアンディ版HELLOWEEN節を炸裂させてくれます!
ギターではKeeper Of The Seven Keysぽいところがでてきて思わずニヤリとしますが、
全体的にはBetter Than Raw収録のMidnight Sunぽいでしょうか。
ですが作詞作曲はアンディ・デリスとカイなのが驚き!
途中のカイのヴォーカルも非常に印象的!
6分超えの曲ですがHELLOWEENらしい曲で、
アルバムのトップを飾るにふさわしい1曲ですね。
2曲目のSavior Of The World 「セイヴィアー・オブ・ザ・ワールド」は、
キスクがメインの曲。
こちらはシンプルに最初から疾走しまくりの1曲で、
キスクの伸びやかなヴォーカルがバッチリはまっています。
守護神伝期を思わせるような透明感と疾走感で、
どこかEagle Fly Freeを感じさせてくれます。
3曲目のA Little Is A Little Too Much「ア・リトル・イズ・ア・リトル・トゥー・マッチ」は、
ミドル・テンポのロック・チューン。
HELLOWEEN - A Little Is A Little Too Much
アンディ、キスク2人のコーラスが美しくサビもキャッチー!
BEAST IN BLACKのようなライヴでも踊りたくなるような雰囲気を持っています。
4曲目のWe Can Be Gods「ウィ・キャン・ビー・ゴッズ」は、
キスクの叫びと共に激しくゴリゴリに疾走する1曲!
アルバムの中では一番ダイナミックで攻撃性に満ちており、
ギターソロもかなり生感が伝わってきます!
5曲目のInto The Sun「イントゥ・ザ・サン」は今までの熱狂を落ち着けるような
感動的なバラード。
The Time of the Oath収録のForever and Oneを想起させるような重厚な1曲となっています。
Forever and Oneはデリス一人でしたがこちらはデリス、キスクのコーラスでより重厚に、
深みを増した1曲となっていますね。
6曲目はもちろん日本で話題となったThis Is Tokyo「ディス・イズ・トーキョー」。
HELLOWEEN - This Is Tokyo
日本の都市名を歌われると少し恥ずかしさはありますが、
アンディが特別な場所といい、トリビュートとして作ってくれています。
JAPANではなくTOKYOなのは響きの問題で、
TOKYOとは歌っていても日本の事を歌っているようです。
ポップながらもどこか哀愁を放つミドル・チューン。
早く日本の地で大合唱したいものです。
7曲目は待ってましたの疾走チューンUniverse (Gravity For Hearts)「ユニヴァース(グラヴィティ・フォー・ハーツ)」!
HELLOWEEN - Universe (Gravity For Hearts)
壮大なイントロからの切り刻むギターリフ、バスドラ連打の疾走はガッツポーズ確定!
キスクの歌声も相まって、
こちらも守護神伝を思い起こさせてくれます!
8分にも及ぶ曲ですが、
プログレッシブな曲展開にギターバトルは長さを全く感じさせませんね。
サシャによる渾身の1曲で、
間違いなくアルバムのハイライトでしょう。
8曲目はHand Of God 「ハンド・オブ・ゴッド」。
サビとヴォーカル・メロディがかなり耳に残る1曲。
アルバムの中ではかなりシンプルですが、
全体としてギターがかなり印象的な1曲となっています。
9曲目はUnder The Moonlight「アンダー・ザ・ムーンライト」。
HELLOWEENはEagle Fly FreeやPowerなどの哀愁の疾走曲以外にも、
Dr. SteinやKids of the Century、First Timeといった曲も魅力です。
これはそんなポップなHELLOWEENを象徴するかのような1曲で、
サビは一緒に歌いたくなるような明るくポップな1曲です。
賛否を呼んだアルバム、Pink Bubbles Go Ape に収録されていてもおかしくない1曲で、
あのころのキスクはHELLOWEENでこんな曲をやりたかったのだなと、
思わせてくれるますね。
ポップ色は強めですが、
アルバム全体としてバリエーション豊か、
それでいて疾走、ミドル、哀愁、ポップのバランスがとれており、
この曲も違和感などアルバムに馴染んでいます。
そして最後を飾るのはMajestic「マジェスティック」。
カイによる8分にも及ぶ大曲で、
やっぱりこういった曲がないと!
壮大なコーラスで幕を開け、
キスクの歌声もあってか、
サビの雰囲気はKeeper Of The Seven Keysさを感じます。
ギターソロでもKeeper Of The Seven Keysぽいところがあり、
聴いていて「お!」となることでしょう。
ギターソロ後のカイの歌声も実にいい雰囲気で、
やはりHELLOWEENはカイがいないとと実感させてくれます。
そして後半の疾走ギター・バトルは圧巻!
10曲と曲数こそ多くないものの、
HELLOWEENらしさが随所に詰まったアルバムでした。
特に今回は曲によってはピアノやシンセが効果的に使われており、
音の深みがアップして音楽がより多様化している作品でした。
HELLOWEENの疾走部分だけにフォーカスするとポップさが不要と思われる方もいらっしゃるでしょうが、
元来疾走とポップさをどちらも大事にしてきたバンド。
そういう意味でも実にHELLOWEENらしい多様な音楽性の名盤であると感じました!
著・METAL IS FOREVER店長 本間(2025/08/29)
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