LOUD PARK 15の初来日以来、
日本でも大人気のパワーメタルバンドSABATON(サバトン)!
母国スウェーデンでは総合チャートでも1位を獲得するほどの人気で、
自身が主催するフェスSabaton Open Air「サバトン・オープン・エア」が開催され大盛況、
スウェーデンのラジオ局「Bandit Rock」でも
2012、2013年に様々な賞を受賞。
さらにイギリスのメタル誌主催の
Metal Hammer Golden Gods Awardsなどでも、
何度も受賞するなど、
現メタル界でトップクラスのバンドです。
そんなSABATONに母国スウェーデンの団体「Vetenskap och Folkbildning」から、
2022年度の「フォーク・エデュケーター・オブ・ザ・イヤー」に選ばれました。
日本語にするなら「最優秀民族教育賞」といった感じでしょうか?
今回の受賞に関しては、
もちろんSABATONの音楽性に関わりがあります。
SABATONの曲は古今東西の戦争、戦史、
なかでも世界大戦など近代戦争をテーマとしたものが多く、
2022年の10thアルバムThe War to End All Wars
「ザ・ウォー・トゥ・エンド・オール・ウォーズ」では、
前作The Great War「ザ・クレイド・ウォー」と同じく、
第一次世界大戦をテーマとした作品です。
オーストリア大公が暗殺された
「サラエボ事件」をテーマとしたSarajevo「サラエボ」や、
ドイツ陸軍が運用した「ストームトルーパー(突撃歩兵)」NO
Stormtroopers「ストームトゥルーパーズ」、
第一次世界大戦中の1914年12月24日から12月25日の
一時的な停戦「クリスマス停戦」を描いたChristmas Truce「クリスマス・トゥルース」、
第一次世界大戦における連合国と
ドイツの間で締結された講和条約「ヴェルサイユ条約」の
Versailles「ヴェルサイユ」など、
世界史で学んだ歴史的事柄がメタルとなっているわけです。
Sarajevo「サラエボ」
Stormtroopers「ストームトゥルーパーズ」
Christmas Truce「クリスマス・トゥルース」
Versailles「ヴェルサイユ」
勉強となると人物の名前や起こった事件、内容を暗記しなければならないため、
なかなか気持ちが乗りにくいですが、
こうやって好きなバンドのだったりかっこよいメタル・サウンドになっていると、
その考え方も変わってきます。
こうやって挙げただけでも、
もっと第一次世界大戦について学んで見たくなったのではないでしょうか?
バンドとしても自身はバンドであって歴史家では無いため、
正確に描写できるよう専門家に協力してもらっており、
できるだけ正確に事実を伝えようとしているようです。
こういった真摯な態度で、
長年にわたって歴史に興味を持ってもらい、
そして学んでもらうために活動したことが評価されたようです。
(なおバンド側には50,000クローナ、
およそ62万円ほどが贈られたようです。)
会長であるPontus Böckman氏は、
「バンドは芸術と教育をユニークな方法で組み合わせ、
フェイクニュースや陰謀論が蔓延る中、
ロックバンドから事実確認済みの情報が配信されている」とも語りました。
SABATONはヨーロッパの戦争以外にも、
日本の西南戦争、城山の戦いについて歌い、
西郷隆盛ら最後のサムライの戦いが描かれています。
SHIROYAMA(シロヤマ)
これからも日本をテーマとした楽曲が出てくるのを祈ると共に、
ぜひ来日して今こそ戦争について深く考えるきっかけを作ってもらいたいです!